儀間比呂志さん偲ぶ会 100人が功績たたえる


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儀間比呂志さんとの思い出を振り返り、その功績をたたえた関係者ら=2日夜、那覇市の県青年会館

 沖縄でたくましく生きる人々の姿や豊かな風土を版画や絵で表現し続け、4月11日に他界した儀間比呂志さん(享年94)を偲(しの)ぶ会が2日夜、那覇市久米の県青年会館で開かれた。生前親交が深かった文化人やアーティストら100人以上が詰め掛け、儀間さんに語り掛けるようにそれぞれの思い出を振り返った。

 呼び掛け人代表でジャーナリストの新川明さんは、1956年当時の出会いを振り返り、「米軍の抑圧が激しい政治状況の中、沖縄の現実を告発する、力強くたくましい作品に共鳴し、感動した」と功績をたたえた。儀間さんと詩画集「琉球愛歌」を創り上げたMONGOL800の上江洌清作さんは「今でも創作活動の励みになっている。音楽人生の宝物だ」と述べた。

 会には儀間さんの親族も列席した。隣家で生まれ育ち、口笛奏者となった孫・儀間太久実さん(29)が口笛を披露。海勢頭豊さんらも歌やギターを届けた。閉会あいさつでジャーナリストの三木健さんは、儀間さんの作品を集めた絵本美術館の設立を呼び掛けた。