サバニ担いで「フナ、クヤ」歩く 石垣・伊原間の海人祭「船越屋(フナクヤー)ハーリー」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「フナ、クヤ」と掛け声を上げながら東の浜から船越漁港に向けてサバニを担いで運ぶ北部漁友会のメンバーら=5月29日、石垣市伊原間

 【石垣】旧暦5月4日の5月29日、石垣市伊原間の船越漁港で海人祭「船越屋(フナクヤー)ハーリー」が開催された。北部漁友会や伊原間中の生徒らが「フナ、クヤ」と掛け声を上げながら、サバニを担いで約200メートルの距離を歩く伝統の風習を再現し、豊漁と航海安全、地域の繁栄を願った。

 平久保半島の付け根に面し、東の浜から西の浜まで約200メートルしかない船越の漁師は風向きに合わせて出港場所を決め、船を運んでいたという。

 節目の20回となる今回は初めて、東の浜で北部漁友会と桃里漁友会が「御願ハーリー」を行った後、西の船越漁港までサバニを担いで運んだ。

 中学生のハーリー体験や団体ハーリーなどのほか、日露戦争中に伝達のために宮古島から石垣島にサバニで渡った「久松五勇士」にちなみ5人1組でサバニをこぐ「五勇士ハーリー」が行われた。

 20回目を迎えたことに発起人の平良正吉さん(66)は「最高の気持ちだ。新たに祭りのメニューも考えて、大きくしていきたい」と語った。