車いすで砂浜自由に バリアフリーマット実験


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
モビ・マットを使い波打ち際まで車いすで行く比嘉祐弥さん=2日、那覇市の波の上ビーチ

 特定非営利活動(NPO)法人バリアフリーネットワーク会議(親川修代表)は2日、那覇市の波の上ビーチで、車いすやベビーカー利用者の砂浜での自由な歩行を可能にするバリアフリーマットの体験会を行った。

 今回使用したバリアフリーマット「モビ・マット」はフランスに本社を持つデシャン社の製品で、ビーチのバリアフリー化を義務付けている欧米では広く普及している。マットは特殊なポリエステルで編み込まれており、マット上の砂がすぐ下に落ちるため走行の邪魔にならない工夫がされている。また塩害や紫外線に強いという特徴がある。サイズは1枚5メートルだが、つなげて使用することも可能だ。

 日本での代理店であるモノ・ウェルビーイングの榊原正博代表は「今回の実験が日本初、アジア初の実証実験だ」と語る。榊原代表は「車いす利用者から沖縄に行きたいが砂浜がネックという声が多く寄せられる。ニーズに合わせ、沖縄で実証実験を行うことにした」と話した。

 実際にマットの上を車いすで走行し波打ち際まで行った比嘉祐弥さん(22)=沖縄市=は「海の近くまで行けるのはうれしい。このマットがあれば車いすでどこでも行ける。普及してほしい」と期待した。沖縄バリアフリーネットワークは夏ごろから有料でモビ・マットを貸し出す予定。問い合わせはNPO法人バリアフリーネットワーク会議(電話)098(929)1140。