白梅学徒の解散命令後の足跡たどる ピースウオーク


この記事を書いた人 松永 勝利
白梅学徒の足跡をたどった参加者。白梅の塔で1人1人が手を合わせて祈りをささげた=4日、糸満市の白梅の塔

 【八重瀬】沖縄県立第二高等女学校の4年生で編成された白梅学徒隊に解散命令が下った4日、八重瀬町富盛の八重瀬岳の手術壕跡を出発地点に「白梅学徒の足跡をたどる2017ピースウオーク」(八重瀬町ガイドの会主催)が実施された。町内外から34人が参加し、白梅学徒が解散命令の後に逃げ惑った道程の一部を歩いた。

 参加者はじっとりした暑さの中、元白梅学徒の中山きくさん(88)の話やガイドの説明を聞きながら、約5キロ先にある糸満市の白梅の塔まで歩き、慰霊碑に花を手向け、手を合わせた。

白梅の塔に向かい、手を合わせる元白梅学徒の中山きくさん(手前)

 手術場壕で重症患者の世話をしていた中山さんは「泣き叫ぶ患者の声や、真っ黒に壊死(えし)した体、汚物の匂いなど今も忘れられない」と声を絞るように語った。壕から目をそらし、眉間にしわを寄せる参加者の女性もいた。

 母親と一緒に参加した山城花都(はなこ)さん=8歳、豊崎小=は「昔の人はどれくらい大変だったのか分かった。爆弾が夜も落とされて、とても怖かったと思う」と、ゆっくりとした口調で話した。【琉球新報電子版】