「集団自決」展 後援へ 沖縄県方針 県民大会は展示なし


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 「集団自決」(強制集団死)の軍命について、歴史教科書に記述を求める活動を展開している「9・29県民大会決議を実現させる会」(仲西春雅世話人)は、7月と9月に開催する沖縄県庁1階の県民ホールでのパネル展について、県平和援護・男女参画課に後援依頼する方針を5日の定例会で固めた。

 県平和援護・男女参画課は「『集団自決』や遺骨収集など、沖縄戦の実相を伝えるものに限る」との条件で後援を許可する見込み。

 当初、県教育庁に後援を依頼していたが、県教育庁は「特定の内容を教科書に記載することを求める会を後援することで、各地区の教科書採択に影響する恐れがある」として断っていた。

 パネル展では県民大会の写真は展示せず、慶良間諸島での「集団自決」体験者の写真や、沖縄戦戦没者の遺骨収集の様子などを展示する予定だ。同会の仲西世話人は「教科書関係の展示ができないのは残念だが、パネル展開催が決まってよかった。展示を通して、『教科書に真実を』というメッセージを県民に届けたい」と話した。

 定例会では、9月上旬に東京の国会議員会館でも「集団自決」などのパネル展開催を調整することも決めた。

 パネル展は、教科書検定で「集団自決」の軍命に関する記述が削除されたことに抗議する2007年の県民大会から10年になることを機に、企画された。