翁長県知事、差し止め提訴表明 辺野古、破砕許可取得要求


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辺野古新基地建設で国を相手に工事差し止めに向けた訴訟提起の方針を発表する翁長雄志知事=7日夕、那覇市の県庁

 翁長雄志知事は7日夕、沖縄県庁で会見し、名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局が県の岩礁破砕許可を得ずに護岸工事を続けていることに対し「差し止め訴訟を提起する」と述べ、国を相手に提訴する方針を明らかにした。訴訟では県漁業調整規則39条で規定する岩礁破砕許可を得るよう求める。併せて判決が出るまで工事の停止を求める仮処分も申し立てる。20日開会予定の県議会6月定例会に関連議案を提出する。7月14日予定の最終本会議で可決されれば、7月内にも提訴する方針だ。辺野古新基地建設問題は県の提訴で再び法廷での争いに場を移す。

 翁長知事は会見で「工事の内容から今後、防衛局が岩礁破砕等を行うことは確実な状況にあることから、県としては法的措置を求める必要があると判断した」と述べ、確実に岩礁破砕が確認されない状況でも提訴する方針を示した。

 埋め立て承認の撤回については「今の工事の在り方等を含めて考えると、撤回は十二分に検討に値する。撤回は必ず行われるだろうと思いながらやっている」と述べたが、時期は明示しなかった。

 工事を強行する政府の姿勢については「なりふり構わず埋め立て工事の着手という既成事実をつくろうと躍起になっている」と批判した。その上で「豊かな生物多様性を誇り、かけがえのない財産である辺野古の海を埋め立て、県民の手が届かない国有地に耐用年数200年ともいわれる基地を建設することは到底容認できない」と重ねて強調した。

 辺野古沖の岩礁破砕許可は3月末で期限を迎えたが、防衛局は4月以降も海上作業を続行。県は4月以降も許可更新が必要と5月29日に防衛局長宛てに通知したが、防衛局側は6月1日付で許可申請する意思がないと回答していた。

 辺野古新基地建設を巡っては、翁長知事による埋め立て承認取り消しを受けて国が代執行訴訟を提起。その後和解が成立したが、改めて国が知事を相手に不作為の違法確認訴訟を起こし、昨年12月に最高裁で県敗訴の判決が確定した。

英文へ→Governor Onaga announces lawsuit to demand national government obtain reef crushing permit for Henoko constuction