念願の東京・国立劇場公演 川崎沖縄芸能研究会


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 【東京】川崎沖縄芸能研究会(名嘉ヨシ子会長)は4日、東京都の国立劇場小劇場で第80回特別記念公演「祝いの宴」を開催した。80回の節目に神奈川県川崎市を離れ、念願だった国立劇場での公演に臨んだ。15演目を上演し、満席の客席から大きな拍手が送られた。

幕開けで斉唱する川崎沖縄芸能研究会=4日、東京都の国立劇場

 川崎沖縄芸能研究会は1949年に発足した。50年には第1回芸能大会を開催し、春秋2回公演の年もあり、今年80回を迎えた。

 開幕は歌三線、箏、笛、太鼓、胡弓の総勢50人余による斉唱で、首里城正殿を描いた幕を背景に「揚作田節」「東里節」「赤田花風節」の3曲を披露した。その後は阿波連とも子の「作田」、上間裕子らの「湊くり」、砂邊美智子の「柳」、宮城タケ、由紀子親子の「前の浜」が披露された。

 休憩後の第2部は「息吹」「浜辺」「収穫」とテーマを設定し、「貫花」「梅の香り」「谷茶前」「くば笠小」「黒島口説」などを踊った。フィナーレはにぎやかな「まみとーま」で締めくくった。

 開幕斉唱の後、国立劇場おきなわ運営財団の西角井正大理事が「現在伝わる琉球舞踊は1719年の宮廷舞踊が原型と言われ、2年後にはそれから300年の節目だ」などと解説した。その上で今日の琉球芸能の発展に尽くした川崎沖縄芸能研究会の功績をたたえた。(中村孝通信員)