新たな遺骨安置所を 国に働き掛け要請 ガマフヤー具志堅代表


この記事を書いた人 平良 正
新たな仮安置所の建設へ向け、国へ働き掛けを求める要請文を県議会の新里米吉議長(左)へ手渡すガマフヤーの具志堅隆松代表=9日、那覇市の県議会

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は9日、県議会に新里米吉議長を訪ね、戦没者の遺骨を保管する新たな仮安置所の建設を内閣府へ働き掛けるよう求めた。県によると、平和祈念公園内にある戦没者遺骨の仮安置所は600柱余の遺骨を保管し、2014年から満杯状態となっている。要請を受け、新里議長は前向きに取り組む意向を示し、自らも週明けに現在の仮安置所を視察することを説明した。

 具志堅代表は要請文で現在の仮安置所に関し「遺族を案内しても焼香台すらない。毎年増え続ける収容遺骨の尊厳のためにも仮安置所の整備拡大が望まれる」と指摘した。

 さらに、遺骨の身元特定につながるDNA鑑定の検体の対象が歯だけでなく、四肢骨にまで拡大されたことを受け「仮安置所に保管されている一体一体の遺骨から四肢骨を選び出す作業が必要だが、現在の仮安置所には収骨袋を開封し、遺骨を広げる鑑識台を置くスペースがない」とも訴えた。

 要請に対し新里議長は、九州議長会を通して全国都道府県議会議長会でも戦没者遺骨のDNA鑑定方法の改善などを国へ求めるよう議論する方針も示した。

 ガマフヤーは県に対しても、同様の要請を来週にも実施する予定。