ゴリさん、部門最高賞に アジア短編映画祭 粟国の「洗骨」テーマ


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ゴリさんが監督を務めた映画「born、bone、墓音。」のワンシーン((c)沖縄県)

 東京と横浜で1日から開催中の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2017」(同実行委員会主催)で11日、ガレッジセールのゴリさん(那覇市出身)が監督と主演を務めた「born、bone、墓音。」が「ジャパン部門」の優秀賞(部門最高賞)に輝いた。この映画は粟国島に残る風習「洗骨」がテーマ。応募333作品の中から唯一選ばれた快挙で、ゴリさんは「自分にとっては比嘉大吾の世界チャンピオン(獲得)よりうれしい」と喜びを爆発させた。

 「―墓音。」は粟国島で撮影した短編コメディー。粟国島で受け継がれる洗骨を巡り、バラバラだった家族が絆を取り戻していく物語だ。

 この映画祭は1999年に始まり、2004年に米国アカデミー賞が公認映画際として認定した。優秀賞の中からグランプリを選出。その作品は次年度のアカデミー賞短編部門のノミネート候補となる。「―墓音。」は惜しくもグランプリを逃したものの、アジア最大級とされるこの短編映画祭で高く評価された。

 部門最高賞の知らせを聞いたゴリさんは「僕の力というより、洗骨という風習を大切に守り続けている粟国島が取らせてくれた。これからも沖縄を舞台に映画を作り、より多くの人に沖縄の素晴らしさを広めたい」と話している。審査員には映画監督の大林宣彦さんらが名を連ねた。

 この映画祭では2012年、名護市出身の岸本司監督も「旅シヨーット!プロジェクト部門」で優秀賞を獲得している。

英文へ→A film about Aguni’s “bone washing” wins top award at Short Shorts Film Festival & Asia