ダンスに挑戦、新境地 比花知春15周年ライブ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
満面の笑みで熱唱する比花知春=10日、福岡市のイムズホール

 8年前から福岡県を拠点に活動している宜野湾市出身のシンガー・ソングライター比花知春(ひがちはる)のデビュー15周年記念ライブ「15th Anniversary LIVE~君を忘れない~」が10日、福岡市のイムズホールで開かれた。ライブ名にしたデビュー曲「君を忘れない」なども披露し、15年間の軌跡を歌でたどった。

 幕開けは「光」からだった。歌詞の中に出てくる「歌」と「ダンス」によって人生が変わったことを伝えた。「Happy Tank」では、6人のバックバンドと共にギターをかき鳴らし、満面の笑みで歌い上げた。

 「La La Life」では、デビュー後ずっとやりたいと思っていたダンスに挑戦。これまで弾き語り中心に活動してきた比花が、軽快なリズムで弾みながらファンに新しい“比花知春”を見せた。

 「君を忘れない」では、これまで歩んだシンガー・ソングライターとしての歴史がスクリーンで映し出された。「この歌は私にとって全ての原点。その歌を福岡で初めて披露できて良かった」と目頭を熱くしながら伝えた。

 ライブの途中、MONGOL800の上江洌清作(キヨサク)が寄せた15周年を祝うメッセージビデオが紹介された。比花はキヨサクに感謝の気持ちを込めて「小さな恋の歌」をファンと一緒に熱唱した。

 飲酒運転事故で命を奪われた高校生の話を基に作った歌「青い空の下でずっと」では、前夜福岡で発生した飲酒運転の事故に触れた。歌詞の中にある「その笑顔を奪うことなど世界中からなくなればいい」と比花の素直な気持ちが観客の心を打った。

 最後はデビュー前から大切にしている歌「いちばん星」を弾き語りで歌った。スポットライトの下、軽やかに爪弾くギターの音色に乗せて透き通る歌声を披露した。歌い終えた後、深々と礼をし、満面の笑みで終えた。

 これまでシンガー・ソングライターとして、大好きな歌で挑戦してきた比花。「歌が好きでここまで来ることができた。これからも20年、30年、50年と歌いながら時を重ねていきたい」と前を見据えた。
(金城実倫)