上原さん「私たちは行動できるよ」 沖縄戦追悼式で朗読する高校生  


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
沖縄全戦没者追悼式典で自作の詩を朗読する宮古高校3年の上原愛音さん=15日午後、県立宮古高校

 6月23日の「慰霊の日」に沖縄県糸満市で行われる沖縄全戦没者追悼式で、自作の平和の詩「誓い~私達のおばあに寄せて」を朗読する県立宮古高校3年の上原愛音さん(17)が15日、同校で会見し、詩に込めた思いを語った。詩は平和学習から学んだ沖縄戦の惨状を描き、平和を願う思いは確かに県民に継承されていると強調。犠牲者や戦争体験者に「大丈夫だよ」と語りかけ、不戦の誓いを語った。

 上原さんは「まずは戦没者の気持ちを安心させたかった。その上で私たちは(平和に向けて)行動できるよと伝えたかった」と語った。

 上原さんは詩作は初めてという。授業の課題としてわずか1日で書き上げた作品は第27回児童・生徒の平和メッセージ展「詩の部門・高校生の部」で最優秀賞に選ばれ、式典での朗読が決まった。

 詩には「赤子の声を抑えつけたあの日」などとむごたらしい戦争の様子を描いた。上原さんは「県民は物心がついたころからの平和学習で争いに正義がないことを学んできた。世界がより平和になるために行動する力があることを確信している」と話した。

 一方、清書を終える直前に「フェンスを飛びこえて 絞め殺されゆく大海を泳いで」との文言を盛り込んだ。上原さんは「沖縄の自然が好きだ。軍用地や何かの開発でこれ以上自然が壊されるのは本望ではない。戦没者も同じ気持ちだと思う」と言葉少なに語った。【琉球新報電子版】