着陸帯周辺から赤土 高江住民「欠陥」と批判


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米軍北部訓練場内の建設中のヘリパッドから、大雨の影響で流れ出たとみられる赤土で濁る東村の海岸=14日、東村高江区(高江区民提供)

 【ヘリパッド取材班】沖縄本島北部で14日、降り続いた大雨の影響で、東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場に建設中の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)のH地区周辺から赤土が流出した。東村高江沖合の海が赤茶色に濁り、地元住民らは「金をかけて欠陥工事をしているのは許せない」「自然破壊につながることをするのはおかしい」と憤った。

 沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は赤土流出の事実を認め、15日午前、東村と高江区を訪れ謝罪した。

 沖縄防衛局によると、ヘリパッドH地区着陸帯の資材置き場から約10立方メートルの土砂の流出を確認した。土砂流出を受け、シートで土砂を覆う応急措置をとった。今後、詳細な調査を実施する予定。沖縄気象台によると、東村の14日の24時間雨量は262・5ミリ、国頭村は170・5ミリで、いずれも6月の観測史上最多だった。

 東村高江に生まれたときから住んでいる高江洲義吉さん(76)は「台風でも高江の海に赤土が流れることは今までなかった。今回が初めてだ。金をかけてヘリパッドを造ってこんな欠陥工事をやっているのか」と憤った。その上で「環境汚染は許せない。ヘリパッドを全部撤去した方がいい」と求めた。

 中嶋局長から直接説明を受けた伊佐真次村議は「大雨が降ることは分かっていたので、それなりの対応をすべきではなかったか。国が自然破壊につながることをやるのはおかしい」とただした。東村は沖縄防衛局の説明を受け「赤土流出対策を万全に取ってほしい」と求めた。