沖縄基地負担 全知事アンケート 「全国で」わずか1人


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 【東京】沖縄の米軍基地を本土に引き取る運動に取り組む「辺野古を止める! 全国基地引き取り緊急連絡会」のメンバーは16日、参院会館で会見し、沖縄の基地負担への認識などを全国知事に聞いたアンケート結果を公表した。沖縄の基地集中を「日本全体で安全保障の負担を分かち合うべきだ」と答えたのは大分県の広瀬勝貞知事1人だった。

 日米地位協定については「抜本改定が必要」を選んだのは三村申吾(青森)、川勝平太(静岡)、平井伸治(鳥取)、村岡嗣政(山口)、広瀬(大分)の5知事。上田清司(埼玉)、橋本昌(茨城)、湯崎英彦(広島)、小川洋(福岡)、中村法道(長崎)の5知事は、記述欄で改定や見直しの必要性に言及した。

 沖縄への負担集中と軽減の必要性について、記述回答まで含めると全体の3分の1に当たる知事が言及したものの、「沖縄の米軍基地は縮小するべきだ」の選択肢を選んだのは、青森、茨城、静岡、高知(尾崎正直知事)の4知事にとどまった。

 名護市辺野古の新基地建設を巡る国と県の対立については10知事が協議による解決を求めた。

 大半の知事が無回答や「その他」を選び、直接的回答を避けた。連絡会は「なるべく基地問題に関わりたくないという姿勢の表れだ。判断を国に丸投げして責任逃れをする姿勢は、当事者意識を欠いた本土に生活する有権者の態度の反映だ」と批判した。

 アンケートは沖縄を除く46都道府県を対象に5月に実施、42道府県から回答を得た。山形、東京、大阪、佐賀の4都府県は無回答だった。

 本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会の吉村慎一さんは「知らないことと無関心は異なる。沖縄の基地問題に関心はあるが内容を知らない人も多い。歴史などを知らせることで運動を広げていきたい」と話した。