2人の宝物こだわりたい 婚礼アルバム、カップルで編集 レキサスとバリューブリッジのサービス好調


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄発のクラウドフォトサービスがブライダル業界に変化をもたらしている。システム開発のレキサス(うるま市)とブライダル企業を支援するバリューブリッジ(那覇市)が全国のブライダル業者を通して提供するウェブサービス「フォトブリッジ」の利用者が2015年のサービス開始以降順調に伸び、今年4月に累計4万5千組を突破した。婚礼アルバムで使う写真をカップルが自ら選べるため、利用者からは「納得がいくまで何度も2人で考えて決めたアルバムで、一生の宝物になる」と好評で、両社は海外展開も視野に入れている。

(左から)バリューブリッジの翁長良晴社長と、レキサスの安田陽さん

 フォトブリッジではカメラマンが撮影した大量の写真の中から、カップル自身が写真を選び、拡大縮小や回転といった編集ができる。有料のオプションサービスを利用すれば、曇りの天気を晴れにする「青空加工」や、シミ、シワ、目の下のクマなどが消せる「美肌加工」も利用できる。

 結婚式でカメラマンが撮影する千枚近い写真のうち、実際にアルバムに収録されるのは50枚程度にとどまる。これまではアルバムに使う写真は撮影会社側が選んでいたが「自分が好きな角度の写真」などこだわりを持つユーザーからは、写真選択の不一致が不満材料にもなっていた。

 撮影会社からはレイアウトや写真選択など「挙式後のアルバム制作に関するお客さまとのやり取りが減り、撮影に集中できるようになった。残業も減っている」(全国で婚礼スタジオを展開する企業)と、負担減につながっている。

フォトブリッジの操作画面(レキサス提供)

 バリューブリッジの翁長良晴社長は「タブレット端末からでも気軽に操作できる。カップルで話し合いながらアルバムを作ることは、新しい体験にもつながる」と語る。

 サービスの利用者は開始した15年が約1万3千組、16年に2万3千組と順調に増加。今年は6月までに1万2千組が利用しており、12月までに3万組の利用を見込む。国内では年間30万組近くが結婚式を挙げていると見られ、フォトブリッジは10%のシェアを占める計算になる。他に競合がいない独自性を生かし、両社はシェア50%を目指す。

 写真の選択効率向上のため、今年3月には人工知能(AI)の技術を活用して類似写真をまとめる機能を導入するなど、技術も日々進化させている。

 レキサスの安田陽さんは「日本初、沖縄発のサービスを世界に広めたい」と思いを語った。