新報サイエンスクラブ 身近な“不思議?”に迫る


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鹿谷先生(右)が採取した県内各地の海の砂を観察する子どもら

 「分かった!」。子どもたちの元気な声が飛び交います。「不思議だな」「なぜだろう?」と思うことが分かる瞬間ってわくわくしますよね。

 県内の小中学生が研究者になり、自然現象や動植物を研究して発表する新報サイエンスクラブの講演会「科学って楽しい!」(琉球新報社主催、沖縄美ら島財団共催)が5月21日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれました。参加した親子約90人は海の自然について学び、身近なものを使った科学実験に挑戦しました。

 鹿谷麻夕さん=しかたに自然案内・北中城村=は、科学的なものの見方のコツと海にすむ生き物について話しました。

真剣にメモを取っています

 「形を見ると役割が分かる。シオマネキというカニのオスは片方だけハサミが大きい。なぜでしょう?」。鹿谷先生が子どもたちに問いかけます。「敵を挟むため」「求愛のため」と元気よく声が上がります。答えは…どちらも正解なんです! シオマネキはけんかの時に大きい方のハサミで相手を投げることもあるそうですよ。小さい方は先がスコップのようになっていて、泥をすくって泥団子にして食べます。メスが両方とも小さいハサミなのは、卵を産むためにご飯をいっぱい食べる必要があるからです。

 「科学的なものの見方が学べてよかった」と話す眞榮城綾香さん(11)=伊良波小5年=は、去年からリュキュウオオスカシバというガを調べています。これからの研究に注目です。

 鹿谷さんは「失敗は成功への第一歩。本や図鑑、インターネットに書いていることと結果が違っても、自分が見て確かめたことを信じてください」とエールを送りました。

気砲の実験で大盛り上がり!

 「せいた先生」と呼ばれ親しまれている嶺井聖太さん=アポロサイエンス科学実験教室・那覇市=は、身の回りに起きる不思議を知るために「科学実験ショー」を披露しました。

 「ポン!」。段ボールで作った空気砲をたたくと、空気が輪っかになって教室の端から端へ勢いよく進みます。子どもたちは「わー!」と声を上げ、空気に触ろうと大盛り上がり。空気砲の中の空気には白く色がつけられ、空気の流れがよく見えます。この空気の流れを科学の言葉で「うず輪」と言い、空気はうずになると大きなエネルギーを生み出します。これが台風の仕組みです。

 静電気実験に参加した佐久川尚人くん(9)=沖縄カトリック小3年=は「一瞬だったけど何かが体を通って不思議だった」と話します。「これから絶滅したといわれる生き物について調べたい」と意気込んでいました。

 みなさんも身の回りの不思議の正体を探ってみませんか?

 

文・下地美夏子
写真・大城直也

(2017年6月4日 琉球新報小中学生新聞
りゅうPON!掲載)

~ 不思議なインクの科学実験 ~
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