軍隊の性暴力、根底に差別 那覇の国際女性会議、各国に申し入れへ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
軍隊の性暴力について課題を共有した分科会=24日、那覇市の沖縄大

 沖縄県那覇市で22日に始まった「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議in Okinawa 2017」は24日、那覇市の沖縄大で分科会を開いた。米軍基地などを抱えるハワイ、フィリピン、韓国、グアム、沖縄などからの参加者が軍隊による性暴力と人権侵害、基地と環境汚染、安全保障の再定義などをテーマに4分科会で討議した。参加者らは後を絶たない性暴力の背景に人種差別や性差別、抑圧があると指摘した。各地域の課題を共有し、連帯して国際機関や各国政府に申し入れる方向を確認した。

 「軍隊と性暴力、女性、子どもの人権」をテーマにした分科会は約20人が意見を交わした。ハワイで脱軍事化に取り組む団体「Women,s Voices Women Speak」のリサ・グランディナッティさんは、米兵による性暴力に対し「抗議する団体がなく、性暴力が表立って語られない」と懸念を示した。

 その背景について「米本土の人々はハワイを帝国主義的な考え方で見ている。そこに人種差別と性差別が加わり、(住民にとっても)日常化している」と指摘し、構造的な差別が被害を見えにくくしていると断じた。

 フィリピンからは「ブックロードセンター」のアルマ・ブラウンさんが発言した。ブラウンさんは1992年ごろまで、フィリピン政府と米軍が性産業に従事する女性を対象に性病検査を義務付けていたと説明した。性病が見つかると、米兵らにはバーへの立ち入りを禁じたが「女性を保護するような取り組みはなかった」と性搾取が問題視されずに、米兵のみを保護してきたとして批判した。

 25日午前9時~午後5時まで那覇市の沖縄大学で、一般参加も可能なフォーラム「軍事主義に抗し、持続可能な未来を!」が開かれる。参加費千円。