「みるく世がやゆら」記念碑に 具志川区民ら平和願う


この記事を書いた人 志良堂 仁
建立された碑の前で「みるく世がやゆら」を朗読する知念捷さん=25日午後3時46分、うるま市具志川の具志川アシビナー

 【うるま】戦後70年の2015年に「児童・生徒の平和メッセージ展」で最優秀賞を受賞し、沖縄全戦没者追悼式で朗読された詩「みるく世がやゆら」の記念碑がうるま市具志川の具志川アシビナーに建立された。25日午後、慰霊塔改修・「平和の詩」記念碑建立委員会が記念碑の建立記念式典と慰霊祭を開いた。作者の知念捷(まさる)さん(19)は具志川区の出身。記念式典で「戦争は人間の起こすもの。平和もわれわれ人間が築くものだ」と述べ「後世に戦争の記憶を伝え、平和を築く、みるく世への懸け橋となることを祈ります」と願いを込めた。詩の朗読で、8度「平和でしょうか」と問い掛け、日露戦争や沖縄戦で亡くなった字出身者271人の冥福を祈った。

 「平和の詩」が記念碑として建立されるのは県内で初めて。記念碑建立委員会の実行委員長を務める知念恒男元市長は「金武湾を一望し、風光明媚(めいび)な由緒あるアシビナーに建つ慰霊塔と記念碑を、平和を希求するウチナーンチュの思いを未来へつなぐ発信地にしていただきたい」とあいさつした。
 詩は、認知症を患った祖父の姉が戦争で失った夫を想起する姿を描写し、沖縄戦の記憶の継承を訴えている。区民から碑の建立を求める声が上がり、1年前に計画が決まった。区民や区出身の海外移民、企業などから寄付を受けて完成に至った。
 字の慰霊塔は1947年に具志川グスクに建立され、57年に現在のアシビナーに移転した。今回、2度目の改修に併せて平和の詩が建立された。【琉球新報電子版】