陸上自衛隊配備、600人がノー 石垣島で市民集会


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ボードを掲げ、気勢を上げる集会参加者ら=22日、石垣市民会館大ホール

 沖縄県石垣市の平得大俣地区に計画されている陸上自衛隊の配備について、市民団体の「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」は22日、市有地を駐屯地に提供しないことを求める署名運動の機運を高めようと石垣市民会館大ホールで市民集会を開いた。約600人(主催者発表)が参加した。

 市民5人が登壇し、それぞれの視点から、陸自配備へ反対の意思を示した。内原英聡さん(33)は弾薬庫爆発など国内外の事例を紹介し、平時でも住民に被害が及ぶ可能性を指摘。陸自配備の必要性などの検証が行われていないとして「市長には徹底した議論ときめ細やかな話し合いを求めたい」とした。

 自然環境に詳しい松島昭司さん(67)は平得大俣で5・6月に実施した調査で、ヤエヤマセマルハコガメや野生ラン4種などの保全種が確認できたと報告した。「声なきか弱い動植物を守るのは市民の責務だ。島に基地は必要ない」と強調した。

 基調報告では高良沙哉沖縄大学准教授が登壇し、国防に関する事項を国の専権事項だとする意見について、憲法や地方自治法に規定がなく、解釈上も「『専権』というほどの強いものではなない」と指摘した。

 署名は8月末までに市長と市議会議長に提出する方針で、1万5千筆以上を目標にしている。