外国人観光客のレンタカー事故が急増 昨年度9648件 左側走行不慣れなどで


この記事を書いた人 平良 正

 沖縄を訪れる外国人観光客の増加に伴い、外国人が利用するレンタカーの事故が急増している。県レンタカー協会によると、2016年度の外国人レンタカー利用者による交通事故は15年度から倍増の9648件(速報値)で、1万件に迫る勢いだった。事故の増加率がレンタカー利用客の伸び率を上回る多さとなっている。

 今後さらに外国人利用客が増えることを見据え、国交省は車に搭載されたETC(自動料金収受システム)を活用した事故対策の実証実験に着手する。

 県レンタカー協会の調べでは、外国人利用者の事故件数は統計を取り始めた14年度が2901件(貸出件数8万5323台)、15年度は5073件(同14万3735台)と増え、16年度(速報値)はさらに9648件(同20万6413台)に膨れ上がった。事故はほとんどが物損事故だった。

 利用者の多くは車両の右側走行を取り入れている台湾や韓国からの観光客で「左側走行の不慣れによるものとみられる事故が圧倒的に多い」(担当者)という。

 政府は東京五輪・パラリンピックがある20年に年間4千万人の訪日客を目指しているほか、県も21年度までに目指す目標値を400万人に設定している。

 今後の外国人レンタカー利用者の増加を見込み、国交省は今秋にも事故対策に向けた実証実験に乗り出す。レンタカーに搭載されたETCを活用し、走行経路やブレーキに関する情報などを集めて事故の起こりやすい場所を特定。多言語表記の標識などを設置し注意喚起を図り事故防止につなげる。

 一方、県内ではレンタカー事業者も外国人客向けに左側走行のシミュレーション装置や、車両自体に衝突を回避するシステムを導入するなどの対策を進めている。