100時間でエンジン交換? オスプレイ、米専門家が可能性指摘


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レックス・リボロ氏

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが大分空港に緊急着陸し、エンジン交換が必要となっていることについて、米国防研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務めた専門家、レックス・リボロ氏は設計上よりも短期間での交換が必要となるエンジンの欠陥と機体整備の課題を指摘した。

 リボロ氏は「エンジンはオスプレイの大きな問題だ。1200時間ごとの交換として設計されたが、現在おそらく100~200時間ごとの交換となっているのではないか」との見方を示した。本紙取材にメールで回答した。

 リボロ氏は、オスプレイは当初の設計より頻繁な部品交換が必要で、深刻な機体整備の課題があるとし、「時折、飛行中に問題が発生し、緊急着陸を要する状況になる」と指摘した。

 また、8月のオーストラリア沖での墜落事故原因は、分析に必要な数値がそろっていないとした上で、機体のメインローターが作り出した吹き下ろしの風によって揚力が出せなくなり、降下が止まらなくなる「セトリング・ウイズ・パワー(Settling With Power)」の問題だったのではないかと指摘した。

 「おそらく、パイロットが低速の降下速度を超えてしまったか、対気速度、降下率、縦揺れの複合的な要因が考えられる」とし、同様な状況下を想定したパイロットの訓練が適切に行われてない上に、操縦席内にこういった危険な状況を知らせる計器がないことが問題だと述べた。