子ども預けて新婚気分で 外国人観光客へシッター派遣 ティーアールピー


この記事を書いた人 平良 正
(左から)加瀬武彦ディレクター、山田達也社長、上田恵子シッター=26日、糸満市潮崎町

 児童向けデイサービスなどを営むティーアールピージャパン(沖縄県糸満市、山田達也社長)が、外国人観光客に絞ったシッター(子守役)の派遣サービスを始めた。家族連れの観光客が増える中、ダイビングや高級レストランなど、子どもを連れていくのが難しい場所に行く際に子どもを預かる。沖縄観光の満足度向上や、観光消費額の増加につなげる狙いだ。

 外国人観光客専用のシッターサービスは県内初で、全国的にも珍しい。1日からサービスを開始し、26日までに沖縄ツーリストやサザンビーチホテルなど4社と提携を結んだ。

 ティーアールピーは外国語ができ、保育士や幼稚園教諭の資格を持つスタッフをそろえ、外国人観光客から依頼を受けて要望に合うシッターを派遣する。保護者と行動を共にするコースや、保護者と離れてホテルの客室で預かったり、子ども向けの施設に連れていくコースも用意し、多様なニーズに応えていく。

 登録シッターは現状で15人だが、100人にまで増員する考え。月間千件の受け入れを目指す。同社ではシッター派遣を「ワールドキッズ」事業と名付け、知名度の向上を図っていく。

 県内では来沖する外国人観光客が増加する一方、受け入れ体制の課題が指摘されていた。県の2015年度の調査によると、外国人観光客のうち家族や親族が同行する割合は、空路で34・6%に上る。マリンレジャーを楽しむ割合が31・5%に上るなど観光の形態が体験型にシフトしており、同社は潜在的なニーズは大きいとみている。

 同社の聞き取りによると、ダイビングショップでは外国人観光客から子どもを預かってほしいという要望を受けても、対応できず断る例があるほか、高級レストランやバーでも子連れは断る例も多いという。

 山田社長は「ハワイでは現地シッターサービスも充実している。家族旅行客は多く、リピーターになる可能性も高い。沖縄への富裕層の誘客や消費額を増やすことにわれわれのサービスが貢献できると思う」と意義を語った。

 一方、保育士免許などの有資格者の雇用にもつながるとし「働く女性の経済力を高めたい」と強調した。