米軍関係者が折り鶴 チビチリガマに1万6千羽 SNS拡散、世界中から届く


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チビチリガマに折り鶴をささげる米軍関係者ら=9月30日、読谷村のチビチリガマ

 【読谷】少年たちによる器物損壊事件が起きた読谷村のチビチリガマで9月30日、米軍関係者や基地内の小学生らが折り鶴1万6千羽をささげた。折り鶴は米軍人の夫がいる米軍嘉手納基地在住のヘザー・イェイツマンさん(42)がSNSなどで呼び掛けて集めた。イェイツマンさんは「(ガマを保存し)米国人にも歴史をつないでもらい感謝している。私たちも(遺族の)皆さんの心の痛みをなくす行動をしていきたい」と話した。

 イェイツマンさんは、ニュースで少年たちによってチビチリガマの折り鶴が破損したことを知り、9月13日にSNSで折り鶴の提供を呼び掛けた。千羽を目標にしていたが、SNSを見た米軍関係者など世界各地から折り鶴が届けられ、1万6千羽以上が集まった。

 イェイツマンさんは、たくさんの折り鶴が集まったことは「沖縄の人々の心の痛みに寄り添いたいという気持ちの表れだ」と話した。折り鶴は今も寄せられており、今後、県内の他の戦跡への寄贈を検討している。

 米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)内にあるキンザー小4年のミナ・ハイアットさん(9)は「ニュースで事件を知り、自分たちでも鶴を折って贈りたいと思った」と語った。

 折り鶴と一緒に100を超える寄せ書きを集めた冊子がチビチリガマ遺族会の与那覇徳雄会長(63)に贈られた。与那覇会長は、チビチリガマで住民が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた歴史に触れて「平和を願う気持ちは世界共通だ。ありがとう」と感謝を述べた。