消防隊員らの被ばく検査未定 ヘリ炎上事故「不安と緊張、続く」


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米軍ヘリ事故の連絡を受け、現場に到着した消防車=11日夕、沖縄県東村高江(提供写真)

 沖縄県東村高江で米軍の大型輸送ヘリコプターCH53が不時着、炎上した事故を受け、国頭地区行政事務組合消防本部の辺土名朝英消防長は14日、琉球新報の取材に対し「事故後、隊員の精神的な不安や緊張が持続している」と語った。事故当日の11日、現場で消火作業にあたった消防隊員らに対し、米軍から放射性物質に関する情報提供はなかった。

 11日午後6時半ごろ、国頭消防が消火活動を開始したが、午後7時すぎに機体から300メートル以上離れるよう米軍から指示があった。機体に燃料が大量に残っていたため、爆発の恐れがあったという。消防隊員は防火衣と空気呼吸器を着けて消火活動にあたった。辺土名消防長は「今後、隊員の(被ばく)検査をすることになるが、まだ具体的には決まっていない」と答えた。

 現場には東村役場の職員も2人いた。職員は「放射性物質について報道でしか聞いていないので不安はある」と話す。沖縄防衛局や米軍側から放射性物質に関する説明は一切ないとした。

 2004年の米軍ヘリ沖国大墜落事故では、ヘリに放射性物質が存在したため米軍の消防隊員は消火活動直後に放射能検査を実施したが、日本側の消防隊員には実施されなかった。国頭消防は米軍ヘリの火災原因などの調査義務があるが、米軍側から14日現在、許可が出ていないため、調査ができていない。