「米軍のやりたい放題だ」 炎上同型機、飛行再開に怒りと不安 高江米軍ヘリ炎上


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
東村高江に不時着し、炎上したCH53Eのエンジンとみられる部分をクレーンでつり上げる米軍兵士ら=17日午後2時24分、東村高江(新里圭蔵撮影)

 在沖米海兵隊が、高江米軍ヘリ炎上で事故を起こした米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Eの同型機の飛行を18日から再開することを受け、事故現場の東村高江や普天間飛行場周辺の宜野湾市民からは怒りや不安の声が上がった。事故原因の十分な説明や再発防止策も示さないままの運用再開の発表に「米軍のやりたい放題だ」「住民を無視して訓練を続けている」と住民の命を軽視する米軍の姿勢を強く批判する声が聞かれた。

 【東】米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリCH53Eが運用再開することに対し、事故現場の東村高江の住民からは「ありえない」「人をばかにしている」とする怒りの声が上がった。

 中嶋浩一郎沖縄防衛局長が17日午後5時、高江公民館を訪れ、炎上事故について謝罪したが、飛行再開の話は一切なかった。午後6時すぎに、報道陣から飛行再開の一報を聞いた仲嶺久美子区長は「調査結果が分かるまで飛行停止すると言ってたのに衝撃だ。こちらから何度要請しても変わらないもどかしさを感じる」と言った。その上で「区民は原因が究明するまで飛行しないでほしいと思っている。納得いかない」とし、18日にキャンプ瑞慶覧を訪れ米軍側に求めるとした。

 事故現場となった牧草地を所有する西銘晃さん(64)は「これまでと何も変わらない米軍の行動にがっかりする。いつものように何の進展もない」と批判。「具体的な説明もないまま住民を無視して、米軍の論理で訓練を続けている。日米地位協定の壁がこれほど厚いのか」と落胆した。