ひき逃げ被害者「米軍の考え方、甘い」 「逃げられると思っているのでは」


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在沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官(左)と会談し、事故に抗議する翁長雄志沖縄県知事=20日、県庁

 2009年4月に沖縄県の那覇市で米兵が男女3人をひき逃げした事故で大けがを負った32歳会社員は、今回の飲酒運転死亡事故で在日米軍が在日米軍人の飲酒制限する措置を発表したことについて「米軍の考え方が甘い。酒の購入や飲酒を制限したぐらいでは良くならない」と強調した。

 09年4月4日、会社員は知人2人と那覇市の松山交差点で青信号の横断歩道の歩行中、海兵隊の米兵が運転する車両にはねられた。突然、大きな鉄の塊に殴られたような感覚で飛ばされ、地面にたたきつけられた。骨盤骨折や恥骨骨折、全身打撲などを負い、職場に復帰するまでに約半年を要した。

 当時、ひき逃げした米兵は事故直後、米軍キャンプ・ハンセン内に逃げた。県警が任意で事情聴取できたのは翌日以降で、時間経過により飲酒運転かどうか確認できなかった。

 繰り返される米兵の事件・事故に対し会社員は「罪を犯しても逃げられると思っているのではないか。その意識が問題だ」と根底に日米地位協定があるとの認識を示した。

 日米地位協定の改定や基地撤去を求めても、実現には時間がかかるとも指摘し「外国人に酒を提供する時には、店として身分証を提示してもらう取り組みをした方が良い。沖縄側ができることから始めないといけない」と提言した。