米軍「落下可能性低い」 保育園落下物 ヘリ部品とは認める


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米軍機からとみられる円筒状の物が宜野湾市内の保育園に落ちた問題で、米軍から説明を受けた後に報道陣の取材に答える富川盛武副知事(中央)=8日、北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧ゲート前

 沖縄県宜野湾市野嵩の保育園に円筒状の物体が落下した問題について、在沖米海兵隊は8日、「飛行中に落下した可能性は低い」と、否定的な見解を示した。富川盛武沖縄県副知事が北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧を訪れて米海兵隊太平洋基地司令官のポール・J・ロック准将と会談した際に説明があった。沖縄県は沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に対し、落下元とみられる米海兵隊大型輸送ヘリコプターCH53Eなどの飛行自粛を米側に働き掛けるよう求めた。一方、CH53Eは8日も飛行した。防衛省や県警は米軍機が落とした可能性が高いとみて引き続き調査する。

  関係者によると、海兵隊は防衛省と県に対し、落下物と同型の部品がCH53にもあることは認めた上で「飛行前に取り外した上、今も過不足なくそろっている」「上空から落ちたら破損するはずだ」という趣旨のことを伝えた。

 富川副知事は「この物体が当時、飛んでいたCH53から落ちたという最終確認は県としてもできていない。県民が非常に不安に思っている。最終確認できれば改めて抗議となる」と述べ、米側への早急な報告を求めた。

 富川副知事は同日、県庁に川田司外務省沖縄担当大使と中嶋浩一郎沖縄防衛局長を呼び「最終確認されていないので『自粛』という表現だが、われわれとしては高い確率でCH53の部品だと考えているので、確認されたら本来飛行中止を要請するところだ」と指摘した。米軍普天間飛行場の緊急的危険性除去策の実施と、5年以内の運用停止を早急に講じるよう求めた。

 佐喜真淳宜野湾市長は同日、沖縄防衛局を訪れ「一歩間違えば取り返しのつかない事態になるということを日米両政府と米軍は重く受け止めなければならない」と訴え、米軍普天間飛行場の早期返還を求めた。在沖米総領事と外務省沖縄事務所には抗議・要請文を郵送した。