「インスタ映え」シャッター好評 那覇・平和通り、アートで落書き対策


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平良カーテン専門店のシャッターに描かれた魚とカーテンをイメージしたイラスト。従業員の長堂孝太さんも「明るくなった」と笑顔を見せる=那覇市の平和通り

 老舗商店街のシャッターがポップな“インスタ映え”スポットに―。那覇市の平和通り内の平良カーテン専門店と松本商店の2店舗のカラフルなシャッターアートが注目を集めている。居酒屋などの増加で夜も人通りがある平和通り。閉店後の商店街に新たな魅力が出現した。

 平良カーテン専門店では、2年ほど前、シャッターに書かれた落書きの対処に困っていた。営業・施工担当の長堂孝太さん(30)が、中学時代の先輩でペインターのsakuさんから「絵が描ける場所があったら教えてほしい」と言われていたことを思い出し、即座に店のシャッターを提案した。sakuさんを中心に2~3人のチームで、ペンキやスプレーを駆使し、8枚のシャッターを1週間で仕上げた。イラストには、平良カーテン専門店が仕立てから販売、取り付けまで行うカーテンと、公設市場で販売されている魚をイメージしたキャラクターなどを盛り込んだ。

 長堂さんは「これまでは落書きもあって、夜は正直暗くて怖いイメージだった。絵が描かれてからは明るくなってうれしい」と喜ぶ。落書きもやんだという。

松本商店に描かれたシャッターアート。従業員の大城ゆかりさんと比嘉宗高さんもうれしそうにポーズをとる=那覇市の平和通り

 かつお節など乾物を扱う松本商店のシャッターにイラストが描かれたのは11月。県外から来たペインターに声を掛けられたことがきっかけになった。松本商店のシャッターも落書きされて困っていたため承諾した。作業は閉店後に行い、3日で完成。従業員の大城ゆかりさんは、迫力ある大きなシーサーのイラストに驚いた。「すごい。こんな絵になるとは思っていなかった」と笑顔を見せた。

 どちらの店も閉店後にシャッターの前で写真撮影をする観光客も多いという。大城さんは「店が開いてるときも行きたいって人が増えるかもしれない。店の看板もきれいにしなくちゃ」とうれしそうに話した。

 那覇市中心商店街連合会の粟国智光副会長は「面白い取り組み。アーティストの発表の場としても広がればいい」とさらなる展開に期待を込めた。(田吹遥子)