リゾート地、休日一転 物々しく また米軍ヘリ不時着 突然の異音と低空飛行


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
規制線が張られ、多くの報道陣や住民らが集まった米軍ヘリの不時着現場周辺=8日夜、沖縄県読谷村儀間(又吉康秀撮影)

 また、米軍機の不時着事故か―。連休最終日となった8日夕、小雨がぱらつく中、一面サトウキビ畑が広がるのどかな沖縄県読谷村儀間の民間地に米軍ヘリコプターが不時着した。周辺で畑仕事をしていた人や“遅い正月休み”を満喫していた多くの観光客らが低空飛行する米軍ヘリを目撃し、鳴り響くプロペラ音を聞いていた。「何回、同じことを繰り返すのか」相次ぐ米軍機によるトラブルに県民の怒りと不安はピークに達した。

 サトウキビ畑が一面に広がるのどかな田園風景に突然の異音を響かせ、米軍ヘリが降り立った。電柱をかすめるように降下する様子に身をすくませた住民もいる。現場は県内有数の大型リゾートホテルに向かう道路のすぐそばで不安がる観光客もいた。

 午後4時20分ごろ、残波ビーチにいた町田宗久さん(53)=同村瀬名波=はヘリの大きな音に思わず空を見上げた。「普段と何か違う。落ちなければいいが」。ヘリ数機が早い速度で南下。その後、不時着があったと聞いて現場に駆け付けた。

 儀間恭昇さん(68)=同村儀間=は、サトウキビ畑での作業を終えた直後、米軍ヘリ2機が40~50メートルの高さ飛ぶのを見た。普段より低く、おかしいと思っていると、1機がさらに高度を下げた。「電柱にぶつかるなというぐらいだった」。地面に降りたのに驚き、4時50分、消防に通報した。前を飛んでいた別の1機はそのまま南に向かった。

 同村渡慶次の与那覇清徳さん(70)は、直前の午後4時ごろまで現場から約100メートルも離れていない畑で作業をしていた。「こんな立て続けに不時着が起きる。怒りはもう頂点に達している」と語気を強めた。

 神谷乗好さん(78)は、読谷村で以前に米軍機がトレーラーを落下させ、女児が犠牲になったことに触れ「基地は危険だし、戦争にもつながる。早く撤去してほしい。政府がだらしない」と強く批判した。

 現場からわずか400メートルのホテル日航アリビラ周辺には警察の規制線が張り巡らされ、村道のつじつじに警察官が立つ物々しい態勢。リゾートホテルを取り巻く異様な光景に、宿泊客から「せっかくの休みが台無し」との憤り、「こんなことが実際に起こるなんて」と不安視する声が相次いだ。

 岐阜県から家族旅行で訪れた松原孝春さん(62)と娘の知恵美さん(32)は食事後にレンタカーでホテルへ戻ろうとしたが、規制のため遠回りを余儀なくされ、約30分間、周辺を走り回った。知恵美さんは「ものすごい数のパトカーとサイレン音に驚いた」。孝春さんも「まさか旅行中に米軍の事故が起きるなんて。何回、同じことを繰り返すのか、米軍に強く抗議したい」と憤った。