「米軍関係者に救助された記憶はない」 当事者も産経報道を否定


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車両6台の衝突事故が発生、北向け車線が通行止めとなった沖縄自動車道=2017年12月1日午前10時半ごろ、沖縄市知花

 昨年12月1日に沖縄市の沖縄自動車道で発生し、米海兵隊曹長の男性が一時意識不明の重体に陥った事故について、曹長に救助されたとされていた横転車両の運転手の男性が2日、代理人を通じ「米軍関係者に救助された記憶はない」などと当時の状況を説明した。

 事故を巡り、産経新聞の電子版は昨年12月9日、曹長が横転した車から日本人運転手を救出した直後に後続車両にひかれたという内容の記事を掲載し、報道しない県内2紙を批判した。

 しかし2日に代理人の弁護士を通じて発表された書面では、男性の車は追突され運転手側が下になる形で横転した。直後に追突車両の日本人運転手が助手席側のドアを開けたので、男性は自力ではい上がって外に出て路肩に避難した。警察と救急車を電話で呼んだ後に、駆け付けた米軍関係者から「大丈夫か」と声を掛けられたが、この米軍関係者が曹長かどうかは分からないという。弁護士によると男性は曹長の安否を気遣い「一日も早い回復を祈っている」としている。

 弁護士によると複数の取材依頼を受け、男性は疲弊し通常の社会生活を送ることが困難になっているという。