政府と「一定の距離置く」 名護市長選当選の渡具知氏 


この記事を書いた人 松永 勝利
名護市長選で自身の初当選を報じる朝刊に目を落として笑みを浮かべる渡具知武豊さん=5日午前9時16分、名護市許田の自宅

 【名護】4日の名護市長選で2万389票を獲得した渡具知武豊さん(56)は投開票から一夜明けた5日午前、自宅で初当選の心境を語った。米軍普天間飛行場移設問題を巡る政府との関係について「要人の心ない発言もあり、市民との認識に乖離(かいり)がありすぎる。一定の距離を置かなければならない」と述べ、反対する市民への配慮を表明した。
 初の市政運営に臨むに当たって、市民の期待の大きさや責任の重さをあらためて実感した様子で「これからが大変だなと思う。複雑な民意だった」と表情を引き締めた。
 ワイシャツ姿で当選を報じる新聞に目を落とした渡具知さん。この日は午前6時半に起床し、妻・由利子さんの作ったみそ汁とサラダを口にした。現職の稲嶺進さんに3400票差の大差をつけて勝利したことに「厳しい選挙だった。辺野古移設に反対する人もおそらく何%かはこちらに入れた。複雑な民意だと思う」と語った。今後については「基地問題はいろんな状況に応じて取り組む。政策を実現するための財源を確保したい」と決意を見せた。【琉球新報電子版】