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いじめと自殺の因果関係認める 豊見城市自殺報告書


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豊見城市いじめ問題について、照屋堅二教育長へ報告書を手渡す専門委員会委員長の天方徹弁護士(左)=30日午前11時、豊見城市役所(具志堅千恵子撮影)

 【豊見城】2015年10月に豊見城市内の小学4年の男児が自殺した問題について、市教育委員会が設置した第三者委員会(天方徹委員長)は30日、児童に対するいじめがあったと認定し、自殺の大きな要因の一つにいじめがあったとして因果関係を認める報告書を発表した。

 第三者委員会は同日、豊見城市役所で、照屋堅二教育長に報告書を答申した。

 答申後に開かれた記者会見で、天方委員長は「児童が受けていたいじめを学校側が『トラブル』と認識していたことで、対応が遅れた」と指摘した。

 報告書では「一見重篤でない出来事が児童にとって大きな心の傷のもとになる」と学校側が認識し対応していれば、自殺を防止できた可能性があるとした。

 報告書の完成が遅れたことについて、市教育委員会が事故後、事故をいじめ防止対策推進法第28条に基づく「重大事態」に認定せず「いじめの影響は小さい」と判断したことが、対応や調査の遅れに影響したとしている。

 報告書では(1)いじめの定義の正確な理解(2)重篤でないいじめでも自殺を引き起こす可能性があると周知(3)いじめを積極的に見つけ出す-など、市教育委員会に、いじめに対する意識改革などを提言している。【琉球新報電子版】