「まさか、沖縄で」 大震災被災船、船主家族が再会喜ぶ


この記事を書いた人 大森 茂夫
「龍神丸」のプレートを外す大石龍也さん=3日午後、今帰仁村運天

 【今帰仁】2011年の東日本大震災による津波で漂流し、5月27日に沖縄県今帰仁村の古宇利島沖で見つかった漁船「龍神丸」=岩手県三陸やまだ漁協所属=を確認しようと3日、所有者・大石秀男さん(65)=同県山田町=の息子、龍也さん(37)が運天漁港を訪れた。7年ぶりに船に触れた龍也さんは「驚いた。まさか沖縄で見つかるなんて」と笑顔を見せた。 

 「龍神丸」は船体に損傷はあるものの、ほぼ原型をとどめており、船名が刻まれたプレートや漁船ナンバーもそのまま残っていた。東京で居酒屋「龍神丸市場」を経営する龍也さんは「思い入れのある名前なので、本当にうれしい」と船体からプレートを外して持ち帰った。

 龍也さんは、第一発見者の神谷繁良さん(61)=今帰仁村=らから話を聞き、「(山田沖の)海流では沖縄には行かない。一度、アメリカの西海岸まで行って、ぐるっと回ってきたのかもしれない」と語った。

 「龍神丸」は全長約7メートル、総トン数は0.8トンの小型漁船。東日本大震災の津波で、岩手県山田町の大沢漁港から流れ出て海を漂っていた。5月27日、古宇利島沖約500メートルの海上で漂流しているのが発見された。