「辺野古新基地建設後も陸上飛行」 ニコルソン四軍調整官、離任で言及


この記事を書いた人 大森 茂夫
記者との意見交換会に出席するローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官(左)と、ジョエル・エレンライク在沖米総領事=8日、浦添市

 在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は8日、報道機関との意見交換会を沖縄県浦添市内で開き、名護市辺野古での新基地建設完成後の運用について「全く陸上を飛ばないと考えるべきではない」と述べた。朝鮮戦争の終結による在沖米軍基地への影響については「朝鮮半島で脅威がなくなったとしても引き続き訓練をして必要があれば対応する」として駐留意義の低下を否定した。

 四軍調整官を兼務する米海兵隊第3海兵遠征軍司令官を15年9月から務めてきたニコルソン氏は8月の離任が決まっており、在任中最後の意見交換会となった。3年の沖縄勤務について「いくつかの米軍人による誤った行動があり、メディアから責任を大きく問われることがあった。罪を犯した場合には必要なことだと思っている」と振り返りつつ、「米軍人が英雄的な行動をとって県民に貢献した場合にはどのような形でも取り上げてほしい」と注文した。

 質疑応答では普天間代替施設の飛行経路について「基本的に洋上から基地に入り、基地から洋上に出る。住宅地や学校、その他上空を飛行する時間は削減される」と強調した一方で、「北部訓練場など他施設に飛行するということもある」として基地間移動で集落を含めた陸地上空を飛行することに言及した。

 また、同席したジョエル・エレンライク在沖米総領事は、米朝首脳会談の影響について「沖縄の基地にどう影響を及ぼすかに言及するのは時期尚早だ」と述べるにとどめた。

 四軍調整官の交代式は8月に予定される。後任はエリック・スミス少将。