沖縄の地価上昇“一服”? 那覇周辺市町は「バブル」


社会
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 沖縄県不動産鑑定士協会(大城直哉会長)は13日、不動産業者の市況感を示す昨年11月1日から今年5月1日までの業況判断指数(DI)を発表した。地価が「上昇」と答えた割合から「下落」と答えた割合を引いた地価動向DIは住宅地でプラス74・6、商業地で同79・2、軍用地で同73となり、いずれも前回調査時点(2017年11月1日時点)よりプラス幅が縮小した。同協会は「プラス幅が高い状況が続いているが、市場の動向を見極めている業者も出ている」と指摘した。

 県内で「バブル経済が発生していると感じるか」という質問に対しては、「感じる」が71・5%、「感じない」が17・1%、「分からない」が11・4%だった。

地域別では浦添市、豊見城市、南風原町の「那覇市周辺」で86・8%が「感じる」と回答している。モノレールの延伸や那覇市周辺での土地区画整理が進み、幹線道路も整備されたことから地価が上昇し、「バブル」と感じる不動産業者が多くなっているとみられる。

 同協会の大城会長は「DIではプラス幅が縮小して上昇傾向に一服感が出ているが、高水準を維持していることは確かだ。今後の動きがどのようになるのか注視する必要がある」と指摘した。調査に協力した企業からは「土地の売買価格が上がって県内企業が購入できない水準に来ている」「県民が購入できる価格と離れている」「今後は緩やかな上昇が見込まれる」などの意見があったという。

 今後半年間(5月1日~11月1日)の地価動向DIは住宅地がプラス45・3、商業地が同49・4、軍用地が同28・6でいずれも今回調査よりプラス幅が縮小する見通しとなった。

 調査は県内の不動産業者を対象に1467通のアンケートを発送し、有効回収数は271通だった。