県、工事中止命令を検討 新基地 土砂投入阻止へ暫定策


この記事を書いた人 琉球新報社
名護市辺野古沿岸部の護岸造成現場=6月6日午後、名護市米軍キャンプ・シュワブ(小型無人機で撮影)

 米軍普天間飛行場の移設による名護市辺野古の新基地建設について、工事を暫定的に止める手段として県が中止命令を出す検討をしていることが16日、分かった。政府が8月17日にも始めるとする土砂投入を念頭に、中止命令で工事をいったん停止させ、有効な時期に埋め立て承認撤回に踏み切るという選択肢だ。

 翁長雄志知事は、前知事による埋め立て承認を撤回して工事を止めると明言している。

 根本的に埋め立ての根拠を失わせる「撤回」とは別に、8月に迫る土砂投入を暫定的に止める手段として中止命令が考えられている。「撤回」よりも要件が低いといわれる。

 根拠をどう構築するかやどれほどの効力を見込めるかについて議論がある。

 埋め立て予定地で確認された軟弱地盤への対応を問題視し、中止命令の根拠とする案がある。軟弱地盤は沖縄防衛局のボーリング調査で確認され、埋め立てには大幅な地盤改良が必要だと指摘される。一方、政府側はボーリング調査は終わっていないとして軟弱地盤の存在を認めていない。

 中止を命令した場合、行政不服審査や執行停止要求など国が対抗手段を取ることが予想される。工事停止期間は数日にとどまる可能性もある。