「公務着実にこなす」 翁長知事、具体的言及なし 県議会代表質問で知事選対応問われ


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 久緒
県議会6月定例会の代表質問で島袋大氏に答弁する翁長雄志沖縄県知事=19日午前、沖縄県議会

 県議会(新里米吉議長)6月定例会は19日午前、代表質問が始まった。1期目の任期満了まで半年を切った翁長雄志知事は、11月に想定される知事選への対応について「今はしっかり病気の治療を行いながら一日一日公務を着実にこなし、県民からの私に対する負託に応えていきたい」と述べるにとどめ、具体的な言及を避けた。

 1番手の質問者の島袋大氏(沖縄・自民)への答弁。

 また、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、任期中の実行を公言している埋め立て承認「撤回」については「決意はみじんも揺るぐことはない。環境保全措置などについて看過できない事態となれば躊躇することなく撤回する」と改めて決意を示したものの、撤回の時期については言及しなかった。

 翁長知事は4月21日に膵臓がんの摘出手術を受け、5月15日に退院した。現在も公務を減らしながら再発や転移を抑える抗がん治療を続けているが、手術後初となる6月定例会への出席を表明したことで、知事選出馬の動向や埋め立て承認撤回への対応が代表・一般質問の論戦の焦点となっている。

 翁長知事の定例会出席については事前の議会運営委員会で、体調による途中離席や本会議欠席、帽子着用などが了承された。翁長知事は抗がん治療中の議会出席について「議会に出て県政運営について説明することが知事の重要な務めと考えている」と述べた。

 島袋議員は「これから概算要求や税制の調整が控えるのに、職務代理者を置かずにできるのか。地震のような予期せぬ出来事の場合に、知事が陣頭指揮をとれるのか」と指摘。池田竹州知事公室長は「知事は職員から随時情報を受けて判断を示しており、職務代理者を置くことは考えていない」と答えた。【琉球新報電子版】