辺野古「完全に同意」 米国防長官、日本方針を支持 尖閣の安保適用 再確認


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 【東京】安倍晋三首相や菅義偉官房長官は29日、首相官邸でマティス米国防長官と会談し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を含む在日米軍の再編や沖縄の基地負担軽減について協議した。菅氏によると、マティス氏は辺野古移設や米軍再編などに関する日本政府の方針について「完全に同意する」などと応じたという。

 首相は沖縄県をはじめとする在日米軍基地の地元負担軽減に向けた協力を要請した。マティス氏は在日米軍の安全な運用に努めると述べた。

 首相とマティス氏は、ミサイル防衛を含め、日米同盟の抑止力を強化することで一致した。北朝鮮による日本人拉致問題を早期に解決するため、朝鮮戦争の捕虜や行方不明者の問題に取り組む米国防総省との情報共有を強化し、協力を推進する方針も申し合わせた。

 これに先立ち、マティス氏と防衛省で会談した小野寺五典防衛相は、尖閣諸島が日米安保条約5条の適用範囲であることも再確認した。今月11日に発生した嘉手納基地所属のF15墜落事故や、21日に名護市の農作業小屋で銃弾が見つかった事案に言及し、米軍の安全な運用確保を求めた。

 マティス氏は会談後の共同会見でF15墜落事故に触れ、自衛隊が操縦士を救助したことに謝意を示したが、安全確保に関する言及はなかった。

 また小野寺氏によると、名護市の銃弾事案に関して、マティス氏は会談の中で「(銃弾が)米軍の物かどうか警察とも協力して確定する必要がある。しっかり協力する」と述べたという。

 小野寺氏とマティス氏は、北朝鮮の核兵器を含む全ての大量破壊兵器、弾道ミサイルの「完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄」の実現のため、日米が国際社会と連携して取り組むことで一致した。マティス氏は共同会見で、米韓合同軍事演習の中止に関し、北朝鮮核問題の外交解決を支えるための措置と説明した。