米軍北部訓練場跡で薬きょうなど廃棄物 有害物質恐れも


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米軍北部訓練場の返還跡地「LZ―3」で見つかった米軍のものとみられる空薬きょう=2017年1月、国頭村安田(平井茂さん提供)

 【国頭】沖縄県国頭村安田の米軍北部訓練場跡地で、米軍のものとみられる複数の空薬きょうや、腐敗した一斗缶などの廃棄物が見つかっていたことが30日までに分かった。廃棄物は2017年1月に写真家の平井茂さん(45)が発見した。

 廃棄物が見つかったのは、米軍がヘリコプター発着帯として使用していた「LZ―1」と「LZ―3」の2カ所。平井さんによると空薬きょうが少なくとも10個あり、一斗缶の中身は炭素化していた。「一斗缶の中身が何なのか、有害物質の可能性もある。防衛局はきっちり調査すべきだ」と指摘した。

 北部訓練場内の廃棄物を巡っては、ことし1月、本紙記者とチョウ類研究者の宮城秋乃さんが、米軍のものとみられる未使用の訓練弾2個やタイヤ、プロペラなどを発見している。

 名桜大学の田代豊教授(環境科学)による調査では、廃棄物があった土壌から毒性が強く国内で使用が禁止されている農薬のDDT類や殺虫剤として使用されたBHC類(リンデン)も検出されている。

 沖縄防衛局は21日、17年8~12月に実施した北部訓練場内の廃棄物調査報告書を公開した。約5万平方メートルを対象に行われ、米軍のヘリコプター発着帯や過去のヘリ墜落現場など10カ所で調査し、計7・39トンの廃棄物が見つかった。土壌調査も7カ所で行い、基準値を超える有害物質はなかったとしている。