妖怪世界へようこそ! 水木さん「ゲゲゲ展」、那覇で開幕


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
テープカットで開幕を祝う(右から)沖縄美ら島財団の花城良廣理事長、朝日新聞社の伊東聖那覇総局長、水木プロダクションの原口尚子代表、武良布枝さん、県立博物館・美術館の田名真之館長、久保田憲二社長=11日、那覇市の県立博物館・美術館

 「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」など多数のヒット作を世に輩出した漫画家・水木しげるさんの回顧展「追悼 水木しげる ゲゲゲの人生展」が11日、那覇市の沖縄県立博物館・美術館で始まった。少年期の習作や貸本時代の貴重な漫画のほか、沖縄戦や沖縄の妖怪を描いた特別展示を含む約390点を展示する。9月2日まで。

 11日開かれた開会式には、自伝「ゲゲゲの女房」の著者で水木さんの妻である武良布枝さん(86)が出席。車いすの武良さんは膝元に優しくほほ笑む水木さんの遺影を抱えて、作品を見て回った。

 沖縄戦を題材にした作品の前で立ち止まった武良さんは水木さんが生前、幾度となく戦争の凄惨(せいさん)さを憂いていたことに言及し、「主人がいつか摩文仁の丘で呆然(ぼうぜん)と立ち尽くしていた姿を思い出した。きっと(開催を)喜んでいると思う」と感慨深げに語った。

 主催者代表であいさつした沖縄テレビ放送の久保田憲二社長は「水木さんが残してくれたメッセージを感じ取って」と多くの来場を呼び掛けた。

 入場料は一般1100円(前売り・団体880円)、高校・大学生900円(720円)、小・中学生600円(480円)。