【アメリカ】母の古里 沖縄に夢中 新垣ウイッカーさん 古民家改造、ヤギ飼育も


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 仕事で滞在した母の古里、沖縄の魅力に取りつかれた県系2世がいる。那覇市首里出身の母と米軍人の父を持ち、米カリフォニア州トーランス市で生まれたシンディー新垣ウイッカーさんだ。2017年に米国に戻るまでの5年間、名護市の古民家に住み、三線を習ったり、ハーブを育てたり、友人とのゆんたくに花を咲かせたりと充実した日々を送った。「とても楽しかった」と目を輝かせる。

古民家で収穫したバナナを持つ県系2世のシンディー新垣ウイッカーさん=2017年、名護市

 南カリフォルニアの大学を卒業し、北カリフォルニアの公立学校で数学を教えた後、海外の高校で数学を教えるようになった。これまでアラブ首長国連邦、ミャンマー、沖縄県内の高校で教えてきた。

 沖縄滞在中、山に面し、やんばるの古い面影が残る古民家を買い取り、家の改造、修復に夢中になった。「とてつもなく大きいプロジェクトだったが、どこか夢があった」と懐かしそうに振り返った。自宅には友人が集まり、ゆんたくに明け暮れたと言う。ヤギや鶏、犬を飼った。動物たちは友人に世話してもらっているが、少し寂しいと言う。三線にも挑戦した。ぬちぐすいになると高齢者から言われ、ハーブの栽培もしていた。

 帰国後、北米沖縄県人会の会員になった。沖縄のことを忘れたくなかったのと、沖縄のことを語り合う機会を失いたくなかったからだ。県人会主催のうちなーぐちのクラスに参加することを楽しみにしている。

 9月には再び名護に戻るという。うちなーぐち愛好の若者を集めて、うちなーぐちだけで話し合う場づくりを計画している。「若者と高齢者が一つになってうちなーぐちで、信念など自己表現できるコミュニティーをつくりたい」と話す。「沖縄人の血を引いていることを誇り高く思う」と話すシンディーさんは、今後も沖縄の文化や慣習など研究していきたいとしている。

 (当銘貞夫通信員)