「配備の必要性、理解する」 陸自受け入れの石垣市長


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
中山義隆石垣市長

 沖縄県石垣市の平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画について、中山義隆市長は18日、市役所で記者会見し、配備の受け入れを正式に表明した。「南西諸島圏域の防衛体制・防災体制の構築のために石垣島への部隊配備の必要性を理解した上でそれを了解する」などと述べた。市有地売却などの要請に対しては「適正に行政事務手続きを進める」と語った。中山市長が事実上の受け入れを表明したことで、配備に向けた動きが加速化することが予想される。
  

 一方で配備予定地周辺住民を中心に配備反対の声は根強く、予定地の半分を占める市有地の売却には市議会の議決も必要なため、配備の手続きがスムーズに進むかどうかは不透明な要素も残る。

 配備に関する市民の意見集約について中山市長は「議会を含めて議論を重ねた中で、賛成・反対双方で意見は出尽くしたと判断した」と述べた。「住民説明会などを通じて市民の理解も深まっている」との認識を示した上で、防衛省には配備計画についてさらに具体的に住民に説明するよう求めるとした。

 会見で中山市長は「(国防・安全保障は)国の専権事項なので受け入れないという判断はない」などとし「受け入れ」との文言は使用しないとも述べた。市によると、同日に臨時庁議を開き、防衛省の配備計画に協力することを確認した。中山市長は会見後に直接、小野寺五典防衛相に決定事項を伝達したという。

 発表会見について報道機関に事前の連絡はなく、会見は市役所であった定例記者懇談会後に急きょ設定された。市平得大俣への配備を巡っては防衛省が2015年11月、市に配備を要請。16年12月に中山市長は配備に向けた情報を得るためとして、配備に向けた諸手続を進めることを了承した。