「必要なら使用できる」 旧駐機場 米軍、日本と異なる見解


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旧海軍駐機場

 【中部】米軍嘉手納基地の旧海軍駐機場の使用条件について、米軍は19日、琉球新報の取材に「(旧駐機場を)運用上必要とする時に使用できることは日米合意でも明らかだ」との見解を回答した。民間の住宅地に隣接した旧駐機場について、沖縄防衛局は騒音を発生させない整備や倉庫のみ使用できるとしてきたが、米軍は第18運用群司令官の事前承認を得れば、騒音を発生するエンジン運転や自走も可能として運用の実態が食い違っている。

 嘉手納町の當山宏町長は「米軍の意図がはっきりしないが、彼らの一方的な解釈は許されるものではない。騒音が発生すれば、日米合意は何だったのかとなる。今後の運用を注視する必要がある」と述べた。

 日米特別行動委員会(SACO)最終報告に基づいて移転された旧海軍駐機場跡地の使用について、米軍は「司令官の事前承認が必要」とするノータム(航空情報)を発表している。米軍はノータムの目的を「旧駐機場の使用に制限があることを明確にするためだ」と回答し、使用に際しての事前承認を徹底させていると意図を説明した。

 これに対し、町民の中には「司令官の裁量次第で自由に使えるのではないか」との懸念が広がっている。沖縄防衛局は本紙取材に「引き続きSACO最終報告の騒音軽減イニシアティブの趣旨にかなう運用を行うよう、米側に強く求めていく」と回答した。

 海軍駐機場は周辺住民の騒音負担などの軽減を目的に、住宅地から離れた沖縄市側への移転が2017年に完了した。移転費は日本政府が約157億円を負担した。