「海外識者103人声明」に 琉球新報池宮城秀意賞 新基地反対、世界へ訴え


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 琉球新報社は22日までに、2018年「琉球新報池宮城秀意記念賞」の受賞者に、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴え、世界的な識者らが発表した「海外識者103人声明」を選定した。9月15日に授賞式と記念シンポジウムを行う。

 声明は2014年1月、言語学者ノーム・チョムスキー氏、アカデミー賞受賞映画監督のオリバー・ストーン氏、歴史学者のジョン・ダワー氏らが呼び掛け人となり発表し、政治学者のヨハン・ガルトゥング氏らが加わり、賛同者は103人に上った。声明は安倍政権による新基地建設強行と仲井真弘多前知事による埋め立て承認を批判し、「沖縄の新基地建設に反対し、平和と尊厳、人権と環境保護のために闘う沖縄の人々を支持する」としている。声明への賛同者を募る国際署名活動では、1万5千人の署名が集まった。

 選考委員は比嘉幹郎氏(元琉球大学教授、元副知事)、勝方=稲福恵子氏(早稲田大学名誉教授)、我部政明氏(琉球大学教授)。選考会では「『沖縄問題を広く世界に知らせるとともに、その打開に貢献している』などの賞の目的や趣旨に合致している」「辺野古移設反対の民意を、ジョン・ダワー氏ら世界的識者が発信した意義は大きい」などの評価があった。

 同賞は戦後の米軍統治時代から本土復帰後にかけ、琉球新報で世論に訴え続けた池宮城秀意元会長の精神を受け継ぎ、「沖縄問題」を世界に発信することを目的に2008年に創設した。