高江への派遣、報告書作らず 千葉県警


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 【東京】米軍北部訓練場のヘリパッド建設に伴う警備に関連し、当時沖縄へ警官を派遣していた千葉県警は、派遣期間中の日報や報告書を作成していなかったことが25日、分かった。同日、昨年10月に県警へ情報開示請求を出した市民らが千葉県庁で開いた記者会見で明らかにした。市民らは「県警本部や県公安委員会が派遣状況を把握できず、警察への監視機能が働かない」と批判した。

 開示請求した阪上武・沖縄と千葉を結ぶ会共同代表によると、県警側は、警官にけが人が出るなど「必要があれば報告書を作成するが、今回は必要なかった」と説明。状況確認は新聞記事や派遣警官から口頭で聞いたという。出張費の精算などに使う旅行命令簿の開示は「警察組織への攻撃活動や犯罪行為等を誘発させる」として不開示とされた。

 これに対し市民側は「熊本県へ災害派遣された際の資料は公開されている」とし、今回との対応の違いを指摘。「(攻撃を受けるかの検討材料となる)報告書がなければ、判断のしようがない」と県警の説明に疑念を呈した。

 市民団体側は今後も追加の反論書を提出して問題点を指摘していくとした。