沖縄ジュゴン訴訟の訴え棄却 米連邦地裁


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国の天然記念物のジュゴン=2008年3月、名護市嘉陽沖(ヘリから撮影)

 【ワシントン=座波幸代本紙特派員】日米の環境保護団体が絶滅危惧種ジュゴンを保護するため、米国防総省を相手に、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設工事の差し止めを求めたジュゴン訴訟差し戻し審で、米サンフランシスコ連邦地裁は2日までに訴えを棄却した。

 エドワード・チェン判事は国防総省がジュゴンに対する影響を十分考慮したとして、米政府側の主張を全面的に認めた。

 訴訟は6月28日に初めての公開審理を経て即日結審した。判決は数カ月以内に出るとみられていた。

 原告団の生物多様性センター(CBD)のピーター・ガルビン氏は「判決に非常に失望しており、米軍の開発によって世界で唯一残っているジュゴンの生息地を撲滅する可能性に深い懸念を抱いている」とコメントした。

 新基地建設工事を巡っては、沖縄県の翁長雄志知事が辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向けた手続き開始を決定。弁明を聞くための聴聞を9日(日本時間)に実施すると沖縄防衛局に通知しており、今回の判決が影響を与える可能性もある。【琉球新報電子版】