【号外】翁長知事 辞職へ 職務代理に謝花副知事


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
クリックで拡大(PDFファイル1.07MB)

 4月に膵臓(すいぞう)がんの手術を受け、治療を続けてきた翁長雄志知事(67)が、意識混濁の状態となり、任期中に辞職する見通しであることが8日、関係者の話で分かった。県は8日午後5時から記者会見を開き、謝花喜一郎副知事が職務代理者を務めることを発表する。会見を前に県選出国会議員や県政与党県議に謝花副知事から電話で連絡があり、知事の状態について「意識混濁」と説明されたという。

 翁長知事は最大の公約としてきた名護市辺野古沿岸での新基地建設阻止に向け、仲井真弘多前知事による公有水面埋め立ての承認を「撤回」する手続きに入っているが、撤回の時期も不透明となる。

 現職県知事の辞職は、1978年11月に第2代知事、平良幸市氏が病気を理由に辞職して以来、40年ぶり2度目となる。歴代の県知事の中でも高い支持率を背景に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を推し進める国と鋭く対峙(たいじ)してきた翁長知事の辞職により、辺野古新基地建設をはじめとする基地問題の行方や、最大の政治決戦となる11月の知事選を控えた県内政局は一気に流動化する。

 翁長知事は今年に入り、辺野古新基地建設阻止を訴える訪米行動や、天皇、皇后両陛下の沖縄訪問時の同行など重要な公務が続いていた中で、体重の減少など体調面の不調が見られていた。精密検査の結果、膵臓がんが見つかった。