「魂の政治家」悼む 翁長知事告別式に4500人参列


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大勢の参列者が詰め掛けた翁長雄志知事の告別式=13日午後3時、那覇市松山の大典寺(代表撮影)

 8日に亡くなった沖縄県の翁長雄志知事=享年67=の葬儀・告別式が13日午後、那覇市の大典寺で営まれた。現職知事が在任中に死去するのは県内で初めて。沖縄の政治の指導者として最後まで職責を全うした翁長知事に別れを告げようと、約4500人が参列した。沖縄の基地問題の不条理を全国に突き付け信念を貫いた生き方に、参列者からは敬意と感謝の声が寄せられた。県は県議会や関係団体による実行委員会を組織し、県民葬の開催について調整していく。

 翁長知事の遺骨と遺影を乗せた車は13日正午に自宅を出発し、翁長氏が生前勤めた那覇市役所や県庁を回り、告別式会場の大典寺へ向かった。那覇市役所や県庁では職員のほか、多くの市民も駆け付け「翁長知事ありがとう」の横断幕も掲げられた。

 告別式に先立ち執り行われた葬儀では、元知事の稲嶺恵一氏が「あなたの平和を希求する沖縄の心は、次の世代にもしっかりと引き継がれていくことでしょう」と弔辞を読んだ。

 一般焼香には政治家や市町村長、企業・団体の代表者ら多くの関係者や県民が駆け付け、別れを惜しんだ。

 翁長知事は歴代知事の中でも高い県民支持率を背景に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を推し進める日米両政府と対峙(たいじ)し、沖縄の過重な基地負担の軽減を訴えていた。突然の訃報に驚きと悲しみが広がっており、沖縄だけでなく、国内外からも多くの弔電や供花が寄せられた。

 翁長氏は8日午後6時43分、膵臓(すいぞう)がんのため入院先の浦添総合病院で死去した。