辺野古撤回は先送りの公算 沖縄県、慎重に判断


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 米軍普天間飛行場の移設による沖縄県名護市辺野古の埋め立てを巡り、政府が当初17日に予定していた辺野古海域への土砂投入を先送りすることを検討すると県に伝えたことを受け、県による埋め立て承認の撤回は17日より後になる公算が大きくなっている。県幹部や県政与党の間では、土砂投入は知事選後になるとの見方があり、埋め立て承認の撤回という「最後のカード」(県幹部)はぎりぎりまで残しておくべきだという意見がある。一方で国の動向にかかわらず、早期撤回を求める声も根強い。県は撤回の時期を慎重に判断する考え。

 県は沖縄防衛局からの聴聞について聴聞調書と報告書を作成中。報告書が知事の職務代理者である富川盛武副知事に提出されると、県はその内容を踏まえて撤回に踏み切ることが可能となる。県は当初、政府が土砂投入予定日とした17日より前に撤回する構えだった。だが、翁長雄志氏の知事在任中の死去で知事選が前倒しとなり、政府は知事選への影響も踏まえて土砂投入のタイミングを先送り検討せざるを得なくなった。