米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、政府は当初予定していた17日の埋め立て土砂の投入を延期する方針だ。台風接近などで作業が間に合わないことを踏まえた判断だが、翁長雄志知事の急逝に伴い前倒しとなった知事選への影響を見極める狙いも垣間見える。一方の県は埋め立て承認を撤回するタイミングを検討しており、県と政府が相手の出方をうかがう神経戦は当面続きそうだ。
関係者によると、辺野古沖の埋め立て区域では台風に備え、オイルフェンスなどの資材を撤去している。復旧に時間を要することから、17日の土砂投入は物理的に厳しいという。
また県関係者によると、翁長氏急逝を受け、政府が県に対し埋め立て承認撤回や土砂投入の延期を申し入れており、投入時期が9月30日投開票の知事選後にずれ込む見立てもある。
政府は今年6月、県赤土等流出防止条例に基づき、8月17日にも土砂を投入する計画を県に通知した。県は土砂投入前の撤回も視野に準備を進めてきた。
だが翁長氏急逝により、土砂投入と撤回の日程は流動的になっている。早期の埋め立て着手を狙っていた政府の姿勢に変化が生じていることから、県は17日以降も検討を続け「撤回」に踏み切る時期を見定める。