風俗の若年女性支援を 上間教授「声に耳傾けて」


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風俗業界で働く女性たちの現状について講演する上間陽子教授=20日、南風原町立中央公民館黄金ホール

 南部・中部広域市町村圏事務組合は20日、沖縄県南風原町でセミナーを開き、琉球大教育学部の上間陽子教授が「沖縄の夜の街 現実と向き合う」をテーマに講演した。10代から風俗業界で働く女性たちの厳しい環境を報告し「行政窓口では支援の前にしっかり聞き取りをしてほしい」と訴えた。

 自治体職員や教員ら約200人が参加した。上間教授は、県内の風俗業界で働く若者や若年出産した女性の調査について説明。非行や貧困、虐待など少年少女たちの実情を描いた本紙連載「彷徨(さまよ)う」の読者反応にも触れ、一部の子どもだけの問題と矮小化(わいしょうか)されることがあると指摘した。

 不眠や不特定多数の異性との交際といった行動の背景には、虐待や性的被害など過去の出来事が隠れているとした。本人の置かれた状況や体験を聞き取る際には「フラットに、あまりびっくりしないで聞き続けるようにしている」と明かした。

 困難を抱えた人たちは、自分の困り事をうまく話しにくいという。行政窓口を訪れるのはハードルが高いとし「一番避けるべきは、訪れた人を邪険に扱うこと。窓口ではそういうケースがある」と注文を付けた。